金曜日の晩に雨の中をひたすら走った。
眠気も来ず、気分は高揚していた。
約 5 時間のドライビングで到着した。
荒涼としたその場所には、すでに1台の先発者があった。
初めてお会いするが、鱒川師匠の師匠である。
簡単なご挨拶の後、朝ぼらけの中を釣行へ出た。
この景色はとても日本とは思えない。
荒涼とした大地の中を貫く線路、
枯れた葦原がどこまでも拡がっている。
静寂の中に、水鳥たちの鳴き声が緊張感を保たせていた。
泥濘地が釣りに集中しようとする己の体力を奪っていく。
今回で3度目という、駆け出しの私とも遊んでくれる魚が居た。
ここのアメマスは先日の大河でのそれとは全く違った。
引きはシャープで力強く、はじめアタリとは思わなかった。
しばしの格闘の後、お姿を見ることが出来た刹那、ばれてしまった。
駆け出しの私には、それで十分だった。
それにしても大きかった。ロッドの心配をしてしまうほどだった。
遊んでくれたアメマスに感謝の気持ちが沸いた。
この後、潮が引き、ライズもアタリも薄らいだので、
河口の更に下手に移動したものの、私にはぱったりと止んでしまった。
集中力も体力も、フライもなくなり、切り上げることにした。
そのような折りに和ませてくれる汽車が通過していった。
また、ここに来て楽しみたい。